南八ヶ岳

 来春の冬山山行の下見を兼ねて晩秋の南八ヶ岳を縦走した。みどり池から本沢温泉経由で硫黄岳に登るのは会山行で予定しているルートである。八ヶ岳への入山は中央線の沿線からアプローチするのが常だが、今回は珍しく東京駅から新幹線に乗り佐久平で小海線に乗り換えるルートでアクセス。10時には登山口のみどり池入口を出発し、午後3時には硫黄岳の頂上に立つことができる。初日は硫黄岳山頂で烈風とガスに視界を遮られたが、二日目は快晴。清澄な冷気を肌に感じつつ大パノラマを満喫しながら稜線歩きを楽しんだ。案じられた登山道の凍結もほとんど無く持参したチェーンスパイクは使用せずに済んだ。それでも安全を考え横岳の通過ではヘルメットを装着。宿泊した硫黄岳山荘ではシーズンを締めくくる恒例の「小屋閉め」祭が催された。スタッフが総出で食べきれないほどのご馳走とお酒を振舞ってくれた。稜線上の不便な場所にありながら清潔でサービスの行き届いた山小屋である。今回フランス人の知人を二人案内する。彼らは日本の山に登り何を感じたのだろうか。南沢のコメツガの森の足元に広がる苔庭と沢筋で遭遇した2頭の日本カモシカに熱心にカメラを向けていた。フランスの山には無い日本ならでは光景だったのだろう。(T.S.)

 

<実施日>11月3日(土)~4日(日) <参加者>4名

<コース>みどり池入口〜本沢温泉〜夏沢峠〜硫黄岳〜硫黄岳山荘(泊) 〜横岳〜赤岳〜行者小屋〜美濃戸

2018年11月06日