2019年会山行 立岩・荒船山

~むさしの山の会会報「やまびこ」1月号から~

 

 好天に恵まれた晩秋の一日、西上州の山懐に抱かれ静かな縦走を楽しんだ。三鷹駅よりジャンボタクシーにて一路南牧村へ。予定より早くの到着となったため登山口手前の線ヶ滝を見学。車道から2分ほどで碧色の滝壷。30mを一直線に落下する滝は朝の光の中で清々しい美しさだった。
 乗車ほどなく登山口に到着。いよいよ「西上州のドロミテ」と聞く立岩を目指す。山裾の小流れには真新しい橋が渡されており、ここにも台風の被害があったことが窺われた。5分ほどで分岐となり右手の直登コースへ。植林された山肌を縫うように登っていくと、いつしか広葉樹の明るい森に。一本目の休憩の後ヘルメットを装着。雑木林の急斜面を進むとザレたルンゼに入り、20mの鎖場を無事過ぎると立岩のコル。ここより稜線歩きとなる。木立の美しい稜線だが、西側はスッパリ切れた痩せ尾根なので気を抜かずに!参加者9名の足取りは軽快。西立岩(1265m)に着くと遠く八ヶ岳の山々を望むことができた。


















 休憩の後、幾つかの痩せた岩稜を鎖で下り、威怒牟畿不動分岐を経て荒船山最高点の経塚山(1422.7m)へ。山頂は西面から吹き上げてくる風が強く、東面斜面で風をよけての昼食となった。さて縦走後半は明るい冬木立の道を行く陽だまりハイク。相沢分岐の先には艫岩展望台があり、正面には薄く煙を吐くどっしりとした浅間山が間近に。絶景の地だが柵のない絶壁で墜死事故多発地点。足元には十分な注意が必要だ。内山峠への下山路は所々露岩があるものの、よく踏みならされておりスムーズに進むことができた。小広い鋏岩修験道場跡を経て内山峠登山口へ到着。予定より1時間半ほど早くの下山となった。帰路途中の「道の駅しもにた」で名産の下仁田葱や手作りこんにゃくを購入。充実した山歩きと美味しいお土産と、上州を満喫した山旅だった。(Y.O.)

 

 

              下山路から仰ぐ艫岩

 

 

<実施日>11月17日(日) <参加者>9名 
<コース>登山口→立岩直登コース分岐→立岩のコル→西立岩→威怒牟畿不動下降点→立岩分岐→経塚山→相沢分岐(艫岩展望台)→鋏岩修験道場跡→内山峠登山口
<天候>晴

2020年01月21日